移動平均線の基本

 一定期間の値段(通常は終値)を平均することによって日々の価格のブレを取り除き、滑らかな曲線にすることで相場のトレンドを明確にしようとするものです。日々の線と1本の移動平均線(グランビルの法則)、または複数の移動平均線の位置関係(ゴールデンクロス・デッドクロス)を用いることによりトレンドを捉えた売買を行うことができます。
 移動平均線には大きく分けて単純移動平均線、指数平滑移動平均線、加重移動平均線の3種類ありますが、一般的に用いられる移動平均線は単純移動平均線です。単純移動平均の計算は、3日移動平均であれば当日を含めて過去3日の合計を3で割り、5日移動平均であれば同じく過去5日の合計を5で割ります。

(単純)移動平均線の計算

日付 値段 3日移動平均 5日移動平均
10/1 P1 1300        
10/2 P2 1280        
10/3 P3 1260 M1 1280    
10/4 P4 1225 M2 1255    
10/5 P5 1235 M3 1240 N1 1260
10/8 P6 1200 M4 1220 N2 1240
10/9 P7 1210 M5 1215 N3 1226
10/10 P8 1220 M6 1210 N4 1218
10/11 P9 1260 M7 1230 N5 1225
10/12 P10 1300 M8 1260 N6 1238
M1=(P1+P2+P3)/3 M2=(P2+P3+P4)/3 M3=(P3+P4+P5)/3 …
N1=(P1+P2+P3+P4+P5)/5 N2=(P2+P3+P4+P5+P6)/3 …
移動平均線

 移動平均線は、平均する日数に応じて短期線、中期線、長期線に分類されます。短期線はトレンドの転換にすぐに反応するものの、わずかな値段の上下に反応するためダマシ(上昇トレンドでもないのに上昇シグナルを出してしまうといったこと)が多い傾向があります。逆に長期線はトレンドの転換への反応は遅いものの、わずかな値段の上下には反応しないためダマシは少ない傾向があります。中期線は短期線と長期線の中間の性質をもっています。短期線、中期線、長期線はそれぞれ日数が決められているわけではなく、あくまで相対的なものです。これから紹介するグランビルの法則やゴールデンクロス・デッドクロスなど移動平均線を用いた売買を行う際には、売買対象(金、コーン、ガソリンetc.)の特性や売買期間(短期、中期、長期)に基づいた当てはまりの良い(移動平均の)日数を設定して活用する必要があります。

グランビルの法則

 「グランビルの法則」は、日々の線(終値)と1本の移動平均線を用いた売買シグナルで、米国のチャート分析家であるJ・E.・グランビルが考案したものです。4つの買いシグナル(買@〜買C)と4つの売りシグナル(売@〜売C)に従うことによって、的確な売買が行うことができるとされています。

グランビルの法則

シグナル 解説
買@ 移動平均線が下降した後に、横ばいもしくは上昇しかけている状態で、値段が移動平均線を上抜いてきた時。長期上昇トレンドの初段階であり、最も重要な買い信号。
買A 移動平均線が上昇を続けている時に、値段が移動平均線を下抜いてきた場合は、押し目買いのポイントとなる。
買B 値段が上昇中の移動平均線を上回って推移しており、移動平均線に近づく下落を見せたが、結局移動平均線を下抜くまでには至らず再度上昇に転じた時は、押し目買いのポイントとなる。
買C 移動平均線が下降を続けている時に、値段が移動平均線から大きく下放れて下落した場合は、短期的な自律反発が期待できる。
売@ 移動平均線が上昇した後に、横ばいもしくは下降しかけている状態で、値段が移動平均線を下抜いてきた時。長期下降トレンドの初段階であり、最も重要な売り信号。
売A 移動平均線が下降を続けている時に、値段が移動平均線を上抜いてきた場合は、戻り売りのポイントとなる。
売B 値段が下降中の移動平均線を下回って推移しており、移動平均線に近づく上昇を見せたが、結局移動平均線を上抜くまでには至らず再度下降に転じた時は、戻り売りのポイントとなる。
売C 移動平均線が上昇を続けている時に、値段が移動平均線から大きく上放れて上昇した場合は、短期的な自律修正が期待できる。

ゴールデンクロス・デッドクロス

 平均する期間の違う2本の移動平均線を用いて売買シグナルを出すものとして「ゴールデンクロス・デッドクロス」があります。下降局面を経て、短期線が中・長期線を上抜いた時を「ゴールデンクロス」と呼び、買いシグナルとなります。ゴールデンクロスは相場が下降トレンドから上昇トレンドへと転換したことを示すサインです。一方で、上昇局面を経て、短期線が中・長期線を下抜いた時を「デッドクロス」と呼び、売りシグナルとなります。デッドクロスは相場が上昇トレンドから下降トレンドへと転換したことを示すサインです。グランビルの法則のように値段そのものではなく短期ではありますが移動平均線を用いていることから、ダマシは少なくなるものの相場に入るのが遅れてしまうため、転換点に対しては遅効的な指標とならざるを得ない部分があります。
 ゴールデンクロス、デッドクロスには様々なパターンがありますが、ゴールデンクロスでは(1)中・長期線が横ばいもしくは上昇傾向、(2)当日の値段がクロスした位置より上にある、という2つの条件を満たす場合、一方デッドクロスでは(1)中・長期線が横ばいもしくは下降傾向、(2)当日の値段がクロスした位置より下にある、という2つの条件を満たす場合が理想的とされています。

理想的なクロスの例

ゴールデンクロス デッドクロス
ゴールデンクロス1 ゴールデンクロス2
デッドクロス1 デッドクロス2

※●印=当日の値段、点線矢印=短期線、実線矢印=中・長期線

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